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財団法人林迺翁文教基金会理事長 林清富

順益台湾原住民博物館は「郷土文化を身近に感じ、互いの文化を愛する」のポリシーのも と設立されました。博物館を設立した理念は順益関連企 業グループが台湾本土の文化を未来へ伝承していくことで、台湾社会へ貢献したいという 点であり、その理念を持って長年の間台湾の芸術品を収集してまいりました。

そして、たくさんの方に台湾の文化資産 を鑑賞していただきたいという思いから、私個人が長年収集してきた絵画の数々を順 益台湾原住民博物館へ寄贈しました。

台湾本土の芸術家の作品を収集し始めた当初は、台湾芸術に市場があるとは思いもせず、 郷土文化運動が満を持しているところでした。そんな時代に、幸いにもご縁があって台湾 美術活動を指揮する多くのリーダーや著名画家の方々とお会いする機会があり、彼らとの 友情は十年以上経った今でも変わっていません。

経済発展と芸術活動は、ある程度の関係があるものだと思っています。しかし、私が所蔵 する著名画はその審美を証明するためのものではありません。作品から人情の歳月であっ たり、日常の生活美が見て取れる台湾の本土芸術が、私は非常に魅力的に思い、これこそ が私が芸術品を収蔵する最大の理由なのです。そのため、台湾経済が上昇したことにより 芸術の市場価値が変動することであったり、各作品の価値が上がったか否かということは 気にも留めません。なぜなら、私はコレクターとしてではなく、ただの芸術愛好者として 芸術品を収集しているからです。

長年の芸術愛好者にとって、一般の方よりも美しい芸術品の数々を鑑賞する機会を多く持 てる以外でさらに幸せなことは、自身が敬慕する芸術家の方とお会いし、直接交流するこ とで芸術創作の裏側を知ることができるといったことでしょう。初期から芸術品を収集し てきた芸術愛好者たちは、幸いにも多くの画家の方とお会いする機会を持つことができて いて、共に集い合う機会がよくありました。例えば、台湾で最初に閨秀な画家とされた陳 進氏は、代表作である「洞房」と「北港朝天宮」を私に割愛するとおっしゃり、このこと は私にとってこの上なく嬉しいことでありました。当時、陳進氏はすでに著名画家として 名を連ねていたものの、まだ商業的な面に汚染されていない状況で、このような貴重な作 品を収蔵するということはまるで一つの儀式を経たようでした。その後、初期に台湾で活 躍した画家の方々の作品が飛ぶ鳥を落とす勢いになるまで有名となった際でも、私は自身 の収蔵に対するポリシーを持ち、投資はせずに何度も陳進氏のもとを訪ね、台湾芸術の収 蔵文化の変化について語り合いました。その際に、陳進氏は「洞房」と「北港朝天宮」の 2 作品を私に割愛して良かったと私に話してくださり、私にとって非常に光栄なことでし た。ほかにも李梅樹氏・李石樵氏・楊三郎氏などの著名画家の方々とのエピソードもあり、 思い出すとその情景がすぐに思い浮かび、様々な感情が巡ります。

現在博物館にて所蔵している作品は、初期の画家たちの作品以外に中堅画家や青年画家た ちの作品もあり、その創作年代の幅は二十年以上にもなります。各作品がそれぞれ独自の 特色を持ち、風格や手法も全く異なります。しかし、どの作品においても台湾の美しさを 作品に反映し、私たちにこの台湾にある豊かできれいな自然や純粋かつ可愛らしい一面が あることを教えてくれるのです。この感動を、ぜひ皆さまと共に感じたいと思います。
※2017 年現在、館内では台湾原住民族に関する文物のみ展示しています。

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